2015.10.13 事務局長声明

安全保障関連法の廃止に向け今こそ科学者の共同のたたかいを!


安全保障関連法(以下、安保法)の国会での「可決成立」を受けて、政府はただちに来春以降の南スーダンPKOの武器使用の強化、離島奪還を想定した日米合同軍事演習など、海外での自衛隊の活動を活発化させています。この法制が、アメリカの力の論理に日本をより強く結びつけ、その無謀な軍事戦略に組み込むうえで一線を踏み越えたものであることは明らかです。

しかし、この間の安保法に反対する運動をつうじて、憲法や安全保障をめぐる国民の政治意識の地形図は大きな変貌をとげました。多くの国民がこの戦争法の違憲性のみならず、日本のアメリカへの度し難い従属ぶりや、この法律と日米軍需産業との結びつき、沖縄基地問題や原発再稼働とのつながりを見抜くようになりました。連日、国会周辺に多くの人々が集まり抗議の声をあげ、若者たちも明確な意思を示し、めざましい役割をはたしました。学者、研究者は、「安全保障関連法に反対する学者の会」を立ち上げ、短期間で1万4000人を超える声を集め、さらに無数の集会や記者会見をつうじて多くの研究者が専門の見地からこの法律の違憲性を訴えたことも運動の展開に大きく貢献しました。世論調査の結果をみても国民の安保法に対する反対は強く、政府は孤立していますが、安倍政権は、国会を取り巻くこうした声に耳を閉ざしています。

国会の多数で安保法は「成立」しましたが、私たちの運動が終わるわけではありません。むしろ、今後ますます広く深く根をはり、今後の日本の民主主義のあり方を変えるたたかいとして続きますし、続けねばなりません。この安保法の具体的な運用は、これからの国民世論の動向に左右されます。さらに国民の結束した運動如何では、次期参議院選挙までに大きな共同のうねりを作り出し、この法律を廃止に追い込む可能性も十分にあります。

私たち九条科学者の会は、安全保障に関する様々な立場の違いを超えて、憲法九条を守るという一点で共同して運動を続けてきました。また、明文改憲だけでなく、解釈改憲による憲法九条の実質的な毀損・破壊に対しても厳しく批判してきました。安保法の「成立」をうけ、私たちの運動はますます重要となりつつあります。各大学や研究機関の多くの人々に引き続きこの法制の違憲性、危険性についての理解をさらに拡げ、「力によらない」世界と日本の平和の可能性を訴えつつ、共同の輪を拡げていこうではありませんか。

2015年10月13日
「九条の会」のアピールを広げる科学者・研究者の会(九条科学者の会)
事務局長 本田浩邦