発足13周年のつどい「改憲構想とアベノミクスを読み解く」を開催


日時 2018年3月24日(土)14:00~17:00
会場 文京シビックセンター(東京都文京区)4階シルバーホール
主催 九条科学者の会

安倍政権は森友問題で窮地に陥りながらも急ピッチで改憲案の取りまとめをすすめていますが、これに対して全国で「安倍改憲No!」の運動が展開されています。こうしたなか九条科学者の会はその安倍政権の改憲構想に焦点をあてて講演会を開催しました。
 
 まずはじめに九条の会事務局長で東京大学教授の小森陽一氏が「改憲案の本質と9条を守る運動」をテーマに講演し、2000年代初頭から現在までの改憲の動きと現状を分析。第一次安倍政権が崩壊する過程や戦争法成立の過程に市民運動が積極的な役割を果たしたことを九条の会設立時のエピソードなどを交え語りました。また現在の安倍改憲を阻止するために、国会に市民の声を届けるとともに、すべての衆院小選挙区での議員に対する要望を行う必要を訴えました。さらに「安倍9条改憲NO!3000万人署名」のもつ意義を明らかにしました。

 つづいて慶応大学教授の金子勝氏は、「アベノミクスの5年とこれから」と題して、日本経済、森友問題、安倍政権の腐敗ぶりなどについて語りました。金子氏は、日本経済は長期期な成長率の低落という問題に直面しており、その低成長ですら巨額の財政赤字、日銀による異常な政策介入によってようやく維持されたものにすぎないことをグラフを用いて説明し、安倍政権の制作によって日本経済は「ネズミ講」のような状態にあると指摘しました。また森友加計問題を安倍政権の閣僚、補佐官などの言動とあわせてユーモラスに解説しました。
 
 質疑応答では、今後の改憲阻止の運動のあり方などをめぐり両氏が会場の質問に答えました。
司会の多摩美術大学の志田陽子氏から、九条科学者の会の新しい改憲反対のリーフレット『自民改憲案の4項目はどれも問題だらけ 私たちは安倍改憲、改憲発議に強く反対します!』の紹介があり、さらに海洋研究開発機構の浜田盛久氏から「大学での軍事研究に反対し学問の自由を考える集い」の説明と訴えがありました。

 会場となった文京シビックセンターの会場には160名を超える立ち見が出るほどの参加者が集まりました。参加者からは、「金子先生の話が分かりやすくて面白かった」「小森さんの話で自衛隊を明記する改憲案の本質がよく理解できた」などの声が寄せられました。

 九条科学者の会は新しいリーフレットの宣伝配布に力を入れ、宣伝学習会でリーフレットを活用いただける方には無料ないし送料のみのご負担で郵送するとしています。(本田浩邦)