九条科学者の会 2015年秋の講演会
「安保法制とこれからの日本―憲法9条と東アジアの平和の枠組み―」を開催



日時 2015年11月14日(土)13:30〜17:30
会場  中央大学後楽園キャンパス 5号館 5233教室

九条科学者の会共同代表の浦田一郎氏が主催あいさつを行い、「安倍政権は、立憲主義破壊という批判を逆手にとって集団的自衛権の行使を法制上裏付けるものとして明文改憲を推し進めようとするため、九条の意義が改めて問われる」と指摘し、九条を守る運動の重要性を訴えました。

第1講演「共生の視点から憲法を考える―日本とフランスの政教分離原則を通じて」で、大藤紀子氏(獨協大学)は、世界の政教分離の多様な形態と比較し、日本では特定の宗教的行為を習俗的行為、社会的儀礼として容認するという特徴がみられると分析。宗教を生活習慣ぐらいに考えているその希薄な意識がマイノリティに対する社会的強制の土壌となると指摘しました。そのうえで、一国レベルでなく世界のなかで考える共生のあり方の重要性を強調しました。

第2講演「東アジアの平和をどう構想するか―『安保環境変化』論、『抑止力』論を超えて」で、小澤隆一氏(東京慈恵会医科大学)は、ポツダム宣言前後から現在までの歴史を辿り、「一切の戦力不保持」を規定した憲法制定の意義について語り、さらに、旧安保、新安保でも超えられなかった片務的で地域限定的な「壁」を97年の日米ガイドラインが日本の軍事分担の拡大を規定したことが現在の安全保障法と繋がっていることを明らかにしました。

討論で、小澤氏は、南沙諸島での米中対立などを理由にした「抑止力論」を取り上げ、中米関係が「本格的に対立する可能性は低く」、九条改憲はむしろ中韓との関係を悪化させると批判しました。さらに運動面では、「総がかり行動」という核ができ戦争法廃案への動きが高まるなか、国民連合への政策を練り上げる必要があると述べました。

最後に、日本科学者会議事務局長の米田貢氏が閉会の挨拶を行いました。会場となった中央大学理工学部の大教室には70名以上の聴衆が参加しました。

(本田浩邦)