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九条科学者の会は、3月3日、発足8周年の集いとして学習会「憲法九条の新たな危機に抗して」を「九条の会」事務局と共催で開催しました。450名を超える参加者は通路を埋め、会場の外での傍聴者もでるほどの盛況でした。
九条の会事務局長・九条科学者の会共同代表の小森陽一氏からの開会挨拶のあと、法政大学の五十嵐仁氏と大阪市立大学の松田竹男氏がそれぞれ報告を行いました。
五十嵐氏の講演(「日本政治の右傾化と憲法の危機―危機打開・活憲に向けての大運動を」)は、野田内閣から安倍内閣に至る政治の右傾化を「惨事便乗型」と特徴付け、その政治的背景に「閉塞感の高まりと受け皿が見えないこと」があり、単純で勇ましい言葉で煽るポピュリズムがの政治が横行している」ことをジョークを交えてユーモラスに指摘し、7月の都議選・参議院選に向け、政治信条、政治的立場を超えた改憲阻止の一点で大同団結することが大事であると強調しました。
松田氏は、「ここが危ない!集団的自衛権」と題して、集団的自衛権に踏み込もうとする安倍内閣の動きを2008年の「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の報告書に遡って分析し、現状において、すでに自衛隊と米軍の一体化は米空母護衛艦の輪形陣やデータリンクなどでほぼ集団的自衛権の実態が備わりつつあること、また、国連安保理は大国の利害を反映して公平ではなく、そこへの自衛隊の参加がいかに危険であるかなどを明らかにしました。
九条科学者の会共同代表の片平洌彦氏の閉会の挨拶のあと、各地の大学・研究機関の交流集会が開催され、神奈川、つくば、新潟、長野、愛知、佐野などの会からそれぞれの活動状況や問題関心が報告されました。
(九条科学者の会事務局長 本田浩邦 『日本の科学者』2013年6月号より)