『九条の会』のアピールを広げる科学者・研究者の会
発 足 三 周 年 記 念 の 集 い
を、下記のように開催いたしました。

日時   2008年3月9日(日)  12:30〜16:30
場所  日本大学歯学部2号館 第1講堂 (東京都千代田区神田駿河台1-8-13)

第1部
・経過報告 事務局
・記念講演 沢田昭二さん( 名古屋大学名誉教授・物理学)

第2部
・各分野の運動の報告と交流
  九条世界会議実行委員会
  早稲田から広げる9条の会
  九条科学者の会かながわ
  九条の会・名古屋大学有志の会
  PeaceNight9実行委員会(学生)
  中央大学九条の会(学生)/他
・2008年の活動方針提案
・集会アピール提案・採択

★集会後、中央大学駿河台記念館1階,レストランプリオールで懇親会を開催しました。



<2007年度活動報告/賛同署名>

2007年2月1日から12月31日までに寄せられた賛同署名数は673人(月平均61人)で、賛同署名の総計2869人になりました。あと一息で3000人ですが、目標とする1万人にはまだ遠い状況です。下に2007.12.31時点の都道府県別賛同者数を示します。全ての都道府県で人口1万人にひとりの賛同者が得られれば1万人達成は可能です。引き続き賛同署名の拡大に取り組んで行きます。

報告の県別賛同者数  (2007.12.31) 2869名

北海道169 青森 22 岩手 26  宮城 86  秋田 11
山形 31  福島 15  茨城 76  栃木 28   群馬 33
埼玉 149  千葉 98  東京 801  神奈川 210  新潟 25
山梨 15  長野 41  富山 12  石川 18  福井 10
岐阜 23  静岡 38  愛知 123  三重 20  滋賀 54
京都 191  大阪 108  兵庫 81  奈良 21  和歌山 6
鳥取 6  島根 6  岡山 31  広島 24  山口 15
徳島 18  香川 7  愛媛 8  高知 9  福岡 100
佐賀 17  長崎 10  熊本 12  大分 12  宮崎 11
鹿児島 14  沖縄 22  外国 5  不明 1  合計 2869

<2007年度活動報告/大学・研究者などによる各地の九条の会の活動>

2007年には全国各地で大学単位あるいは県単位での「九条の会」の新たな設立が続きました。九条科学者の会では全国の大学や研究機関、県単位・専門分野の研究者・科学者の「九条の会」に呼びかけて、情報交流の場を作るとともに、九条の運動を全ての地域・大学等に広げていきたいと考えます。

各地の運動の経験を集めた活動経験資料集を今年も各団体の協力を得て作成しました。内容は下記の28団体です。この何倍かの会があると思われますので、各地の会の協力を得て、新しい情報を加え資料集を充実させていきたいと考えます。

活動経験資料集(2008.3)の掲載団体; 九条の会・室蘭工大/弘前大学九条の会/首都大・都立大9条の会/中央大学9条の会/中央大学教員9条の会/東京外語大・九条の会/東京農工大学九条の会準備会/9条の会東大komaba/九条の会・東大/東洋大学九条の会/日本大学九条の会/立教九条の会/和光大生・九条の会(準備会)/早大9条の会“article9”/ 早稲田から広げる9条の会/愛知大学9条の会/憲法「九条の会」アピール賛同を進める名古屋大学有志の会/龍谷大学9条の会/阪大・9条の会/大阪市大 九条の会/宮城・研究者「九条の会」/筑波研究学園都市研究所・大学関係9条の会/東京院生九条の会/Peace Night 9 実行委員会/大学九条の会・東京連絡会/九条科学者の会かながわ/「九条の会」愛知・大学人の会/九条科学者の会/



<九条科学者の会・2008年度活動方針>  

1 目標1万名を目指し、創意工夫して賛同署名に取り組みます。
賛同署名は本会の出発点であると同時に、「九条を守れ」の声が科学者・研究者の分野でのどこまで広がっているのか、その到達点を一目で表す指標ともなりうるものです。現在の停滞状況に甘んじず、なんとかして再び勢いを取り戻すよう創意工夫をして署名運動に取り組みます。

2 「7つの行動提起」に沿って研究者らしい幅広い運動を広げます。
「九条を守れ」の声を科学者・研究者の分野で広げるために、ひとりひとりが自分のいる職場・地域などで「7つの行動提起」(下記※を参照)に沿った研究者らしい運動を広げます。

3 いろいろなレベルで連絡会・連絡網体制をつくり相互の協力関係を築きます。
それぞれの職場・地域などでの活動が活力を保ち、増殖していくために、都道府県・地域・全国など様々なレベルで連絡会・連絡網体制をつくって経験交流、相互協力、共同企画などを進めていきます。事務局としても活発に活動している全国各地の会がお互いに直接連絡がとれるよう、全国的連絡網づくりに積極的な役割を果たします。

4 研究者の幅広い結集のために学問分野ごとの運動にも取り組みます。
学問分野ごとのつながりは研究者固有の領域です。ここで運動を広げることには独特の難しさがありますが、九条を守る運動に科学者・研究者として関わる意味に立ち返るなら、また研究者の中に本当に幅広い運動を広げるためには、やはりこのつながりの中でどのように運動を進めるかを避けて通ることはできません。そのための新しい一歩を丁寧さや工夫をもって進めていきます。

5 九条を守るために取り組まれている様々な企画・活動に協力します。
他分野の九条の会の活動、九条の会以外の活動にも、「九条を守れ」の一点で一致し協力していきます。さしあたり、2008年5月4〜5日に幕張で開かれる「九条世界会議」、秋の開催にむけて準備が進められている東京の学生の大規模集会「PeaceNight9(第2回)」への協力・支援に取り組みます。

※ 7つの行動提起 (2006.3.12「発足1周年記念の集い」で採択)
1.日本国憲法の改悪を阻止し、平和と民主主義を確立するため、科学者・研究者が旗幟を鮮明にして、良心を社会に示し、平和と民主主義を守る国民運動を強めていきましょう。
2.「九条の会アピールへの賛同署名」をさらに大きく広げていきましょう。自分が所属する大学・研究所や、専門分野の友人・知人に賛同を働きかけましょう。
3.諸団体が主催する講演会、シンポジウム等にも積極的に参加していきましょう。さまざまな分野の知識人・文化人・芸術家・宗教者などとの連帯活動を深めていきましょう。
4.個人で出来る活動に創意を発揮し、人々の目に見える活動をしましょう。例えば、友人への手紙、憲法グッズ普及、車等へのステッカー張り、自宅・居住地での九条ポスター張りなど、さまざまな活動があります。「地域九条の会」等での講師などにも積極的に名乗り出ていきましょう。
5.賛同署名運動を契機に、各大学・研究所・地域毎に、多様な形態で「九条の会」を作りましょう。宣伝・組織活動を強めましょう。「九条科学者の会」のホームページを活用し、運動の経験交流を全国規模で深めていきましょう。
6.科学者・研究者にふさわしい理論・実践活動を展開し、その成果を多くの人に知らせましょう。
7.次の世代を創る主体は若者です。院生・学生への働きかけや、若者達の自主活動を積極的に支援しましょう。若者の新鮮な感性、エネルギーを運動に取り入れ、運動に新しい風を吹かせましょう。



「九条の会」のアピールを広げる科学者・研究者の会・発足3周年記念の集い・アピール

日本国憲法の改悪を阻止し,平和と民主主義を確立するため,大学・研究所で、専門分野の科学者・研究者のなかに「九条の会」アピールを広げようと,全国各地で活動する仲間たちがはじめて集ってから,3 周年を迎えました.

この 3 年間,憲法をめぐるせめぎ合いは激烈でした.自民党は,2005 年 10 月に,自衛軍を保持し海外での戦争参加を可能にするために,現憲法の 9 条2項を変えるなどの「新憲法草案」を決定しました.「戦後レジームからの脱却」を掲げた安倍内閣のもと,自民・公明の与党は、 2006 年 11 月に,憲法と一体となって戦後の民主主義の礎をなしてきた教育基本法を改悪したのに続いて, 2007 年 5 月には民主党の対案を取り込んだ合併修正として「日本国憲法の改正手続きに関する法律案」を成立させました.しかし,憲法改悪のもくろみは,アメリカがおこなう戦争への加担がもたらす危険や,新自由主義的「構造改革」政治による国民生活の破壊,貧困と格差の拡大,年金・医療・福祉政策への不信などによって,厳しい批判に晒され,参議院選挙での敗北と安倍政権の瓦解という,大きな打撃を受けました.そしてこの間に,「九条の会」アピールに賛同する全国各地,国民各層の運動は,まさしく燎原の火のように広がり,昨年 11 月の「ピースナイト9」など,青年・学生の運動も注目され, 世論調査でも”九条をまもれ”の声が多数になってきました.

いま,改憲勢力は新たな装いで巻き返しに出ています.安倍内閣を引き継いだ福田内閣は,参議院で否決された「新テロ対策特別措置法」を,国民の反対を押し切って衆議院で再可決して,自衛隊派遣を再開し,さらに,「大連立」に乗りかかった民主党と気脈を通じながら,海外派兵の恒久化をねらい,これらと軌を一にして「新憲法制定議員同盟」が自民・民主両党幹部等を役員として発足しました.同時に,アメとムチによる「米軍再編」の押しつけ,沖縄での米兵による少女暴行,イージス艦の漁船衝突・漁民行方不明など,軍事力優先に対する国民の怒りが高まっています.

このような激動の中,私たちは,これまでの運動をさらに発展させ,科学者・研究者として旗幟を鮮明にして,平和と民主主義を守る良心を社会に示す必要があります.「九条の会」アピール賛同署名をさらにひろげることをはじめ,大学・研究所などで様々な創意ある運動を作り出し,あるいは志を同じくする内外の運動と手を携えて,憲法改悪の執拗な策動を許さず,九条を宝とし,発展させる奔流をともに作りましょう.

2008年3月9日
「九条の会」のアピールを広げる科学者・研究者の会・発足3周年記念の集い